Commons:著作権以外の制限

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この画像はパブリックドメインですが、コンピューターの販売や、音楽録音物の発行に使用すると法的なトラブルに遭うおそれがあります。

著作権以外の制限は、素材の使用に関する制限であって著作権とは区別されるものです。このような制限はパブリックドメインにある作品(例えば、著作権が切れたもの)に適用されたり、著作権で保護された作品の利用において追加的な制限となったりします。

コモンズ内のすべての素材はパブリックドメインにあるか、もしくはそれぞれのライセンス条件に基づき自由に使用できるものでなくてはなりませんが、一部の素材はそれが特定の状況または方法で使用される場合、追加的な法的制限を受けます。そのような制限は、商標権特許権人格権著作者人格権、政治的検閲、その他諸々の、作品の著作権上の地位から完全に独立した法的要因から生じます。個人の人物写真に関するいくつかの制限と、コモンズが一部の作品をホストすることを違法とするいくつかの制限を例外として、コモンズは著作権以外の制限を写真家、投稿者または再利用者の問題であると捉えており、コモンズからそれらの作品を削除する理由とはなりません。

コモンズにホストされた素材に適用される著作権以外の制限に違反しないようにすることは、それらを再利用する人の責任です。コモンズには、世界中に存在する著作権以外の制限のすべてについて詳細な案内を提供することはできません。いくつかの一般的な助言を下記で与え、プライバシーと人格権に関する問題についてのいくつかの案内はCommons:識別可能な人物の写真にあります。

著作権以外の制限

コモンズにある全ての素材はそれぞれのライセンスの下で自由に使用できますが、特定の状況や特定の方法で使用した場合他の法的制限がかかる可能性がある素材もあります。これらの制限は、著作物の著作権の状態とまったく独立して、商標特許人格権政治的検閲に関連した法律や他の多くの訴訟のいずれかから生じ得ます。

ウィキメディア・コモンズの方針では再使用に制限がある素材の受け入れを禁止しています。しかし、著作権に関連しない制限はコモンズやウィキメディアによる自由であることの要件と関係があると考えられておらず[1]、ライセンシングの方針はそれゆえに著作権に関連した責務を規定することに限定されています。

極端な例をとって説明します。コモンズの画像を偽物を製作するのに使用するのは一般に違法ですが、これによってコモンズの素材は自由なコンテンツでないということにはなりません。同様に、消費者を誤解させるような、登録商標や有名な人物の画像の使用の法律による禁止は著作物の自由さに影響を与えるとは考えられていません。ドイツでは、スヴァスティカ(カギ十字)や他のナチスのシンボルの使用は学術的な状況以外では制限されていますが、私たちの目的(コモンズの目的)に素材の制限が及ぶとはそれほど考えられていません。コモンズのライセンシングは大衆の自由を尊重するように意図されていますが、私たちが自由を広めようとする能力は、コモンズの著作物が著作権に関連した制限を受けないよう確実にすることに一般に制限されています。コモンズにとって、不便であると分かる全ての法律から開放するのは、可能でも望ましいものでもありません。

ウィキメディアのプロジェクト群とそれらのコンテンツの多数の再利用者は、それが多くの教育・報道プロジェクトに使用される自由なメディア保管庫であるがゆえに、そういった著作権以外の制限の多くに関して法的に強い立場を享有しています。

他の法域におられる再利用者や、ウィキメディアのプロジェクトにおけるのとかけ離れた方法でマテリアルを利用する再利用者が受けられる保護は、それよりは低いかもしれません。しかしほとんど常に、ある画像を他の非常によく似た画像に置き換えることで状況を変えることはできません。これは著作権問題からは全く生じることのない問題です。

これらの制限はコモンズの方針に関するものではありませんが、このような法律の影響を受けるかもしれないファイル再利用者に有用なものとして{{Trademarked}}{{Personality rights}}などの免責事項を付けるのが一般的な慣行です。これらの免責事項の漏れは必要な法的義務がないと示しているように取られるべきではありません。例によって、特定のあなたの状況に対して法的なアドバイスを与えることはできません

コモンズに直接影響を及ぼす著作権以外の制限

例えば中傷やわいせつ行為取締法のような、著作権以外の制限によってはコモンズの特定の画像を保有することを違法としている可能性があります。そのような画像は自由なライセンスによるものかどうかにかかわらず、もちろん許されていません。最も重要な制限は、写真中の人物の許可が無い、プライベートな空間で撮影された人物の特定が可能な写真を禁じる人格権/プライバシーに関する法律です。

「ハウスルール」

ハウスルール(館内規則など)が契約上で写真の撮影を禁止していても(全面的に禁止していても、あるいは非営利の使用のみを許可していても) 、写真中の著作物の著作権の状態は普通は変わりません。例えば、多くの美術館・博物館では写真の撮影を禁止しています。また、オーストラリアの法律は営利的な利益のために連邦自然保護区の画像を使用することを禁じています(もっともこれは知的財産権に関する法律ではなく、「2000年環境保護及び生物多様性保存規則 REG 12.38」に基づくものです)。

商標法

商標法は商品や業務に関連するロゴ、言葉、名前の営利的な使用を規制しています。コモンズは多くの商標の画像を保有していますが、著作権を侵害しない限りOKです。この素材の特定の営利的な使用は商標法違反である可能性があるとしてもこれは適用されます。商標は、例えば、著作権の保護を受けるに及ばない単純なもの ({{PD-ineligible}})、あるいは著作権の保護期間が切れた古いデザインであれば、著作権の対象にならない可能性があります。

人格権

ある種の画像を特定の方法で第三者やコモンズが利用する場合、人格権に関する法律が影響することがあります。

データベース権

1996年以来、欧州連合は、データベースに収められた情報の複写と拡散を対象とする、いわゆるデータベース権法を有しています。データベース権は、データベースの作成のために行われた投資を評価するために存在する、著作権に匹敵するも区別されるべき財産権であると考えられます。

データベース権は、データベースの重要な一部の抽出からの保護を与えるものであって、データベースに収められた個別の作品については対象としません。それゆえ、データベース権は個別の作品をそれ自体として再利用する権利に影響を与えません。また、データベース権は合衆国法においては認識されていないので、ウィキメディア財団はこれを尊重する義務を負いません。

著作者人格権

ほとんどの法域は、著作者人格権を経済的権利から独立のものとして認めています。著作者人格権は通常は譲渡不能であり、多くの法域で無期限、また多くの法域で著作者が放棄することもできません。ベルヌ条約における著作者人格権の定義は一般的な指針となりますが、その詳細は法域によって異なります。ベルヌ条約第6条の2は以下の通り規定し、氏名表示権と同一性保持権を保護しています:

著作者の経済的権利の独立性、さらに当該の権利の譲渡後であっても著作者には作品の著作者権の請求権ならびに変形や複製あるいはその他の改変あるいは当該の作品の価値を低減する行為、すなわち著作者の名誉あるいは評判を害する行為に抗議する権利を持つものとします[2]

関連項目

脚注

  1. 「管轄によっては著作権以外の制限がかかる可能性があるメディアもあるが、自由な著作物だと考えられている。」[1]
  2. [2], Berne Convention for the Protection of Literary and Artistic Works, September 9, 1886, art. 6bis, S. Treaty Doc. No. 27, 99th Cong., 2d Sess. 41 (1986). [1886年9月9日ベルヌ条約第6条の2、S. Treaty 文書第27号、第99期議会第2部第41回会合(1986年)]